4月26日、「豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会(百条委員会)」の理事会にて、桜井委員長が突然の辞意を表明しました。本件については、テレビにてニュースにも取り上げられ、私が委員長不信任の動議を提出する場面も報道されていますが、新聞各紙も事象のみを報道しているので、多くの皆さんは一体全体何が起こっているのかわからない状況だと思います。
そこで、今、都議会で起こっていることを少しでもご理解いただくご参考に、私が4月28日、「豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会(百条委員会)」にて提出した動議を全文掲載させていただきます。
この際、私酒井大史は、谷村孝彦副委員長、吉田信夫理事、おときた駿委員、西崎光子委員の同意を得て、桜井委員長の不信任に関する動議を提出させて頂きます。
※上記各氏の所属会派は公明党、共産党、都民ファーストの会、生活者ネットワークです。ちなみに私は東京改革議員団です。
桜井委員長は、4月26日、本特別委員会の理事会において、突如委員長辞任の表明をされました。
その理由として、偽証認定の是非について指摘されています。
自民党を除く5会派は、これまで豊洲市場に係わる問題の真相究明に真摯に向き合い、段ボール箱など119箱の量の提出記録を精査し、延べ24名、23時間にわたる証人尋問にあたって参りました。
もとより本特別委員会の責務は真相究明に有り、偽証認定をすることは本来の目的では無いことは周知の事実です。しかしながら、真相究明を妨げるような虚偽の陳述が行われた場合においては、これを精査し、偽証認定していくことも本委員会に課せられた責務であると考えます。
自民党を除く5会派は、虚偽の陳述と思われる事項を精査し、根拠も明らかにしています。
にもかかわらず、委員長の発言では、正式な手続きを得て提出された証拠記録を「メモ程度のもの」としたことは、本特別委員会だけでなく、自民党を含む全会一致で設置を決定した都議会の権威をも貶めるものであり、なによりも書類提出者を愚弄するものであると断ぜざるを得ません。
委員長として、「公平中立な立場で尽力」とのご主張もありましたが、「我が党の顧問弁護士云々」「次の委員長は自民党からは出さない」との発言は、明らかに自民党の立場での発言で有り、公正中立であると自任する委員長の発言とは思えない一貫性の無さを露呈しています。
26日の理事会で、桜井委員長は今後の証人出頭要請について図り、その後、偽証認定の手続きに入ることを自ら図った上で、自民党も含めて異議の無いことを確認したはずです。
「無理やり偽証認定に向けた手続きが進められていくことは,到底受け入れることはできない」との主張ですが、これは全くあたりません。理事会前の代表者会で、私は本件の取り扱いについて、出頭要請のように全会派一致を目指すのか、多数決で決めるのか委員長に問いかけましたが何ら方針を示さず、通常の方法によることになりました。
委員長として、全会派の意見統一を図る努力すらされず、自らが行った議事運営をその舌の根も乾かないうちに、否定するがごとくの理由で辞職表明されることは、まさに天に唾するものと言わざるを得ません。
よって、本特別委員会を愚弄し、その職責を放棄し、委員会運営を混乱させた責任により、桜井委員長を不信任とすべきと考えます。
皆様方のご賛同を宜しくお願い致します。
この動議に対し、自民党を除く全ての会派が賛成し、不信任が可決しました。
その後、委員長の辞職が図られ、全会一致で可決し、現在、委員長が不在の状況になっています。
都議会においては、特別委員会・常任委員会を問わず、委員会の委員長などのポストは各会派の代表者などで構成する議会運営委員会の理事会で調整し、各会派にポストを割り当てています。
「豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会」の委員長は自民党に配分されているため、通常後任の委員長は自民党から出すはずですが、先に紹介した通り「次の委員長は自民党から出さない」と一方的な主張をしているため、議会運営委員会の理事会での調整が必要となります。
ちなみに、議会運営委員会の委員長は自民党の幹事長が担っています。
一日も早く、議会運営委員会理事会を招集し、自民党には責任ある対応を取っていただきたいものです。
この対応がなされるまで、実質的に「豊洲市場移転問題に関する調査特別特別委員会」はストップしてしまいます。
特別委員会では、任期中最後の定例会である平成29年第二回都議会定例会までに、調査結果を取りまとめていかなくてはなりません。まさか、偽証認定のみならず、調査報告すらさせないことを画策しているとは思いたくありませんが、疑念を抱かざるを得ません。
連休明けの早期解決を願うばかりです。
今回、結果として桜井委員長の不信任動議を提出することになりましたが、桜井議員のお人柄はとても温厚で、誠実な方だと感じていたが故に、陰に陽にサポートをしてきたつもりです。今回の行動が桜井議員の本意なのか、疑問に感じています。
最後に、私の動議に対し、提出者の会派である「東京改革議員団」を除く、全ての会派が意見表明をしています。自民党の除く、それぞれの会派が注目に値する発言をされていますが、特に公明党さんの意見表明は、この間の内容すべてを網羅していて、私自身も過去の経緯を再認識することができた秀逸なものでした。都議会のホームページに会議録が掲載された折には是非、ご一読されることをお勧めします。